「技能実習廃止」まであと1年――制度の大転換をどう受け止めるか

JAC建設技能人材機構の発表・報道によると、同機構は2026年7月から11月にかけて、建設分野における特定技能外国人制度および育成就労制度(※後述)の説明会を全国で無料開催する。国土交通省が後援するこの説明会は、対面とオンラインの両形式で参加でき、事前申込みがあれば誰でも参加できる。

今回の説明会が例年と大きく異なるのは、従来の特定技能制度の解説にとどまらず、2027年度(令和9年度)に施行予定の「育成就労制度」をセットで扱う点だ。育成就労制度とは、2010年代から続いてきた「技能実習制度」を廃止・刷新するもので、これまで「人手不足対策の即戦力」として短期的に活用されてきた外国人材を、中長期的に建設業を支える人材として計画的に育てる方向へと制度の軸足を移す改革を指す。経営者にとっては採用戦略そのものの見直しを迫られる変化であり、現場の担当者にとっても受入れ手続きや管理業務が変わる可能性がある。

説明会の構成と対象者――経営者向けと事務担当者向けの2部制

説明会は前半(7〜9月)と後半(10〜11月)の2フェーズに分かれており、ターゲット層が明確に分けられている点が特徴だ。前半は主に採用の意思決定を担う経営者・管理職向けで、育成就労制度の全体像と特定技能制度の概要、JACが提供する受入支援サービスを中心に解説する。後半は実際の受入れ手続きを担う事務担当者向けで、書類作成や申請フローといった実務レベルの内容が加わる。

前半の育成就労制度解説は、外国人雇用に精通した杉田昌平弁護士が担当し、後半の特定技能制度については外国人材受入れの総合支援機関である公益財団法人国際人材協力機構(JITCO)が登壇する。専門家が分担して解説するため、法的な背景から実務の手順まで体系的に学べる構成となっている。プログラムは各日とも14時から15時30分(受付は13時30分から)、参加費は無料で、会場定員は各50名、オンライン定員は各100名となっている。

開催都市は福岡・広島・沖縄・北海道・香川・東京・新潟・宮城・大阪・愛知・埼玉など全国に分散しており、会社の所在地にかかわらずどの会場にも申し込めるほか、各会場から近隣都道府県へのライブ配信も行われる(一部会場は会場参加のみ)。

現場で働く人・採用を担う人が今から備えるべきこと

建設現場における外国人材の存在感はすでに無視できない水準に達している。建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録データによれば、20代の建設技能者のうち外国人材(技能実習・特定技能など)が約37%を占め、特定技能制度が始まった2019年以降、2025年12月末時点で5万人を超える外国人が同制度を通じて建設分野で就労している。

こうした状況のなかで育成就労制度への移行が始まれば、外国人材は「とりあえず数年働いてもらう存在」から「会社が技能を教え、キャリアをともに設計する存在」へと位置づけが変わる。受入れ企業には教育計画の策定や日本語学習支援など、これまで以上に手厚い関与が求められることになる。

現場で働く外国人材の側から見れば、育成就労制度のもとでは技能や日本語力の習得が特定技能への移行につながる公式なルートとして整備されるため、キャリアアップの見通しが立てやすくなる可能性がある。一方で受入れ企業が対応できなければ、外国人材の定着率や満足度にも影響が出かねない。

制度改正の全体像を正確に把握し、自社の体制を整えるうえで、今回のような公的機関主催の無料説明会を積極的に活用することが第一歩となる。申込みは各会場とも開催前日まで受け付けており、定員に達した場合は締め切られるため、早めの登録を検討したい。