2026年上半期、建設業の死亡事故が相次ぐ

nbs-tv.co.jpの発表・報道によると、2026年に入ってから半年間で、長野県内では9人の労働者が労働災害(労災)によって命を落としており、そのうち4人が建設業に従事していたことが明らかになりました。労働局長がみずから建設現場を視察し、墜落・転落防止対策や熱中症対策の実施状況を確認したといいます。7月1日から7日までは「全国安全週間」にあたり、全国的に安全意識を高める取り組みが集中して行われています。

建設業における死亡事故の中でも特に多いのが「墜落・転落」です。これは足場や屋根、開口部などの高所から作業者が落下する事故を指し、業界全体の死亡災害の中でも長年にわたって最多の原因となっています。また、夏季に向けた「熱中症対策」として、現場に設置された電子掲示板(サイネージ)でWBGT値(熱さ指数:暑さによる体への負担を示す指標)をリアルタイム表示する取り組みも確認されました。

なぜ建設現場での死亡事故はなくならないのか

建設現場は本質的に「変化し続ける職場」です。工程が進むたびに作業環境が変わり、新しい危険箇所が生まれます。工場や事務所のように設備を一度整えれば終わりではなく、毎日・毎週、安全確認をゼロベースでやり直す必要があります。この点が、他産業と比べて事故リスクが高止まりしやすい構造的な理由の一つです。

また、人手不足を背景に経験の浅い作業者が高所作業や重機周辺の業務に就くケースも増えており、ベテランが当たり前にこなしていた「暗黙のリスク管理」が共有されにくくなっています。2024年からは労働安全衛生法に基づく墜落・転落防止措置の強化が段階的に進んでいますが、ルールを知らないまま現場に立っている作業者も少なくないのが実情です。

現場で働く人・これから建設業に入る人が今すぐできること

まず確認しておきたいのは、自分が働く現場で「フルハーネス型墜落制止用器具(高所からの落下を防ぐ安全帯の一種)」が正しく使われているかどうかです。2022年以降、胴ベルト型のみの使用は原則として禁止されており、6.75メートル以上(建設業では5メートル以上が目安)の高所ではフルハーネスの着用が義務付けられています。装備があっても正しく装着されていなければ意味をなしません。朝のKY活動(危険予知活動)の場で着用状態を相互確認する習慣をつけることが重要です。

熱中症対策については、WBGT値が31以上になると「危険」レベルとされており、原則として激しい作業は中止すべきとされています。現場にサイネージが設置されていない場合でも、環境省や気象庁が提供する無料のアプリやウェブサービスで現在地のWBGT値をスマートフォンで確認できます。水分補給のタイミングを「喉が渇いてから」ではなく「時間で決める」ことが、熱中症予防の基本です。

全国安全週間はルールを見直す絶好の機会です。元請け・下請けを問わず、現場全体でヒヤリハット(事故には至らなかったが危険を感じた体験)を共有し、小さな気づきを対策につなげる文化を育てることが、死亡事故をゼロに近づける現実的な道筋です。