建設業の外国人材、10年で5倍の20万人規模に
日本人材ニュースONLINEの発表・報道によると、人手不足が深刻化する建設業界において、海外人材の活用が急速に進んでいます。ヒューマンリソシア(人材サービス大手)の調査・分析では、建設分野で働く外国人材がおよそ20万人規模に達しており、10年前と比較して約5倍に膨らんでいるとされています。在留資格(日本に滞在できる法的な資格)としては「技能実習」と「特定技能」が中心となっており、全国各地の工事現場の労働力を補完する役割を担っています。
技能実習制度は、開発途上国の人材が日本で技術を学ぶことを目的とした制度です。一方、特定技能は即戦力となる外国人労働者を受け入れるために2019年に新設された在留資格で、建設分野は「特定技能1号・2号」の対象となっています。特定技能2号では、より長期にわたる就労や家族帯同も可能になるため、長く現場を支える人材として期待が高まっています。
なぜここまで外国人材が増えているのか
背景にあるのは、国内の若年労働者の減少と建設需要の持続です。少子高齢化による働き手の縮小に加え、インフラの老朽化対策、能登半島地震をはじめとする災害復旧・復興工事、さらには再開発や国土強靭化(国の基盤を災害に強くするための取り組み)関連の工事が全国各地で続いています。国内人材だけでは到底まかなえない需要の規模が、外国人材への依存度を高めてきた実態があります。
加えて、2024年4月に建設業へも適用された時間外労働の上限規制(いわゆる「2024年問題」)により、一人当たりの労働時間に制約がかかったことで、頭数の確保がこれまで以上に重要な経営課題となっています。外国人材の受け入れ拡大は、こうした複合的な事情が重なった必然的な流れといえるでしょう。
現場で働く人・働きたい人への影響と備え
外国人材の増加は、現場の日本人技術者や職人にとっても無関係ではありません。まず求められるのは、コミュニケーション面での適応力です。作業指示や安全確認(危険を事前に防ぐための重要な工程)を外国人スタッフと確実に共有するために、わかりやすい言葉や図解、翻訳アプリの活用が現場の標準スキルになりつつあります。
また、外国人材の指導・育成を担う「ブリッジ人材」や職長(現場作業のリーダー)の役割がより重要になっています。外国人スタッフをまとめる経験を積んだ日本人技術者は、現場監督やマネジメント職へのキャリアアップのチャンスにもなり得ます。指導実績をポートフォリオ(自分の実績をまとめた資料)に記録しておくことが、今後の転職・昇格交渉でも有効になるでしょう。
一方、建設業への就職・転職を検討している方にとっては、外国人材の受け入れに積極的な企業ほど、採用・育成体制や職場環境の整備が進んでいる傾向があります。求人を選ぶ際には、外国人材の在籍状況や教育体制の有無を確認することが、職場環境を見極めるひとつの指標になります。人手不足が続く建設業界だからこそ、多様な人材と協働できるスキルが、これからの現場で最大の強みになっていきます。