「地域経済そのもの」――大臣が建設業の社会的役割を強調

新建ハウジングの報道によると、国土交通省の井林辰憲大臣は2026年9月24日の専門紙向け会見で、住宅産業を含む建設業の担い手確保を重要課題として位置づけた。

井林大臣は建設産業について、社会資本の整備・維持管理にとどまらず、災害時には地域の暮らしや雇用を守る役割も担うと指摘。商工会議所や商工会のトップを建設業・住宅産業の経営者が務める地域も少なくないとして、「地域経済そのもの」と表現した。人口減少が進むなかで担い手を確保することの重要性を、産業の枠を超えた視点から訴えた格好だ。

処遇改善・ICT活用・CCUSの普及を三本柱に

人材確保に向けた具体策として大臣が挙げたのは、第3次担い手三法を踏まえた労務費確保と賃上げ原資の確保、工期適正化による働き方改革、ICT(情報通信技術)活用による生産性向上の三点だ。加えて、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及や教育訓練の充実を進め、人材の定着と技能継承を図るとした。

住宅分野では「ライフステージに応じた住環境を選択できる社会」を目指す考えを示し、空き家を含む既存住宅ストックの活用・流通促進を進める方針を明らかにした。また、東京23区を中心に続く住宅価格の上昇については、実需を伴わない過度な投機的取引の抑制を重要課題と捉えていることも述べた。

防災面では、災害レッドゾーン内の新規住宅を住宅ローン減税の対象外とする現行制度を説明しつつ、既存住宅については内水氾濫対策や早期避難、保険による資産保全の重要性も強調。住宅購入時に災害リスクを十分理解できる環境整備にも力を入れるとした。

業界で働く人・経営者への示唆

大臣発言が「若者がなりたい職業」という言葉で締められた点は、業界全体の採用・定着戦略を考えるうえで注目に値する。CCUSの普及や賃上げ原資の確保といった施策は、現場の技能者にとって直接的な処遇改善につながる可能性を持つものであり、経営者としては制度の動向を継続的に把握しておくことが求められそうだ。