手形払い停止の動きが業界全体に広がる
日経クロステックの報道によると、建設業界では協力会社(下請け・専門工事会社など)への支払いにおいて、約束手形の利用を停止する動きが広がっている。約束手形とは、発行者が一定の期日に一定の金額を支払うことを約束した有価証券で、現金と違い支払いまでにタイムラグが生じるため、資金繰りの面で受け取る側の負担が大きいとされてきた。
奥村組、資金調達にソーシャルボンドを活用
現金払いへの切り替えには、従来は手形で先送りできていた支払いを前倒しで用意する必要があり、発注側の企業にとって相応の資金手当てが求められる。こうした課題に対応するため、奥村組は2026年10月からソーシャルボンドを発行すると発表した。ソーシャルボンドとは、社会的課題の解決を目的としたプロジェクトの資金調達に用いられる債券の一種だ。同社によると、手形払いの停止を目的としたソーシャルボンドの発行は国内初だという。
編集部の見立て
この動きは、建設業界で長年慣行として続いてきた手形払いの構造が、大手元請け企業から順に変わりつつあることを示している。協力会社として働く職人・専門工事業者にとっては、入金サイクルの改善につながる可能性があり、資金繰りの安定という観点から注目に値する動向といえるだろう。一方、元請け側の企業には調達コストを含めた財務的な対応が求められるため、各社の取り組みの広がりを引き続き注視したい。