能登の災害復旧工事9件、落札者が出そろう
建設通信新聞の発表・報道によると、石川県は河川災害復旧工事など9件の総合評価一般競争入札を実施し、落札者を決定しました。工事場所はいずれも珠洲市・輪島市・能登町で、工期は2029年3月23日までとなっています。
最大規模の案件は「二級河川鵜飼川外 長谷川砂防設備外災害復旧工事」で、フジタ・高田組JVが約26億8,576万円(税別)で落札しました。続いて「同飯川 三崎海岸災害復旧工事」が前田建設工業・池田建設工業JVに約24億6,794万円、「同九里川尻川外河川災害復旧工事」が三井住友建設・池田建設工業JVに約24億2,762万円でそれぞれ決まりました。
そのほかの落札状況は、「同若山川 若山川砂防設備災害復旧工事」が熊谷組・麝香重機建設JVに約23億9,125万円、「同金川外河川災害復旧工事」が西松建設・和田内潜建JVに約20億2,825万円、「1378号-2工区二級河川町野川外河川災害復旧工事」がみらい建設工業・川田工業JVに約19億7,236万円、「同若山川 鈴内川砂防設備災害復旧工事」が真柄建設・のとさくJVに約18億7,800万円、「同若山川 吉原川砂防設備外災害復旧工事」がみらい建設工業・能登建設JVに約17億339万円、「主要地方道七尾輪島線道路災害復旧工事」が明翫組・宮地組JVに約13億6,100万円となりました。
工事の概要はコンクリートブロック積み工・コンクリートブロック張り工・隔壁工などです。なお、同日に入札が行われた「同折戸川外 三崎海岸災害復旧工事」は不調となりました。
JV(共同企業体)方式が活用される背景
今回の9件すべてにおいて、大手・中堅ゼネコンと地元建設会社によるJV(ジョイントベンチャー=共同企業体)方式が採用されています。JVとは、複数の企業が一つの工事を共同で受注・施工するための形態で、大規模かつ技術難易度の高い工事で多く用いられます。
一般に、大規模災害復旧工事においては、広域から技術者・重機・資機材を集める必要があり、地元企業だけでは対応が難しいケースも少なくないと言われます。一方で、地元企業が参画することで現場の地理的・地域的な知見が活かされるという見方もできます。JV方式はそうした両者のメリットを組み合わせる手段として、一般的に活用されています。
建設業で働く方・目指す方への留意点
今回のように、大規模な公共工事の入札が集中する時期には、施工管理技士や土木技術者の需要が高まる傾向があると一般に言われます。工期が2029年3月まで設定されていることからも、数年にわたる継続的な人員配置が求められると考えられるのではないでしょうか。
建設業界への就職・転職を検討している方にとっては、災害復旧・インフラ維持分野が今後も安定した需要を持つ領域である可能性を示す事例として、参考にしていただけるかもしれません。また、現場で働く方は、JV案件では発注者・元請け・下請けの関係が複数社にまたがるケースもあるため、契約内容や担当範囲を事前にしっかり確認しておくとよいでしょう。
なお、不調となった案件が1件あることも注目点です。入札不調は一般に、予定価格と積算コストの乖離や、技術者確保の困難さなどが要因として挙げられることがあります。能登地域の復旧が続く中、業界全体として人材・資機材の確保と適正な価格設定がいっそう重要になってくるのではないでしょうか。