5年で120社、3年連続で業種別最多の倒産数
福島民友新聞社の報道によると、帝国データバンク福島支店の集計(負債総額1000万円以上、法的整理による倒産)で、福島県内の建設業倒産は2021〜2025年度の5年間で120社に上った。2023年度28社、2024年度34社、2025年度27社と、3年連続で業種別最多となっている。
同社郡山支店が昨年12月時点で公表した「倒産予測値」(1年以内に倒産する確率を10段階で示す指標)でも、高リスク(8〜10段階)に分類された建設業者は前年比10.2%増の712社と、こちらも業種別最多だ。法的整理に至る前に休廃業・解散を選ぶ事業者も目立つといい、表面化している倒産件数以上に業界の縮小が進んでいる可能性がある。
資材・人件費高騰と工期長期化が利益を圧迫
建設業の倒産を後押しする要因は複合的だ。金利の上昇局面に加え、中東情勢の緊迫化による原材料価格・エネルギーコストの高騰が続く一方、受注額への価格転嫁は上昇分を十分に反映できていない状況にある。帝国データバンク福島支店の鎌田守康支店長は「着工前の契約時から工事完了までの間に費用が膨らみ、利益が圧迫される業者が多い」と指摘する。
大工・左官・塗装など専門工事まで裾野が広い建設業は、経済情勢の変化を受けやすい構造を持つ。東日本大震災後の復旧需要で県内の建設業就業者は2015年に約10万人まで増加したが、2020年には約8万8000人に減少。県の将来推計でも減少傾向が続く見通しで、高齢化による後継者不足を背景に廃業を選ぶ下請け業者も少なくないという。
災害対応からインフラ日常管理まで、地域への影響は広範
業界の縮小が地域社会に与える影響は、災害時の応急復旧にとどまらない。道路・上下水道の補修、河川整備、除雪管理といった日常的な生活インフラの維持を担う担い手が細っていることを意味する。県建設業協会の相沢広志専務理事は「人口が減っても、インフラを保つための一定の人材は不可欠だ。建設業が維持できなければ日常生活に支障が出る」と危惧を示している。
現場で働く方や経営者にとっては、受注から竣工までの間にコストが膨らむ「インフレ工期リスク」をいかに契約段階で手当てするかが、喫緊の経営課題といえそうだ。また、後継者育成や専門人材の確保が個社レベルを超えた地域インフラ問題に直結している点は、業界全体で共有される認識になりつつある。