標準見積書の作成状況

建設通信新聞の発表・報道によると、国土交通省は、改正建設業法に基づき労務費などを内訳明示した標準見積書について、専門工事業団体の作成状況をまとめました。建設業法に基づく団体のうち、元請け団体などを除いた104団体が調査対象です。

結果は、作成済みが約2割にあたる21団体、作成中・検討中が約3割の28団体でした。両者を合わせると全体の約半数が作成または検討している計算です。未検討などは55団体でした。

内訳明示が求められる項目と背景

国交省は各専門工事業団体に対し、労務費、材料費、法定福利費(事業主負担分)、建退共(建設業退職金共済制度)の掛け金、安全衛生経費を内訳として明示した標準見積書の作成を要請しています。法定福利費や安全衛生経費を内訳明示した従来の標準見積書を更新するか、新規に作成する形での対応を求めています。

労務費や必要経費を内訳明示した見積書を商慣行にすることは、標準労務費(労務費の基準)の契約段階での実効性を確保する取り組みに位置付けられています。新しいルールを根付かせるには、こうした見積書を交わす慣行の定着が欠かせないとされています。

作成済みの団体と国交省の支援

作成済みの団体には、日本型枠工事業協会、日本左官業組合連合会、日本鳶工業連合会、全国鉄筋工事業協会、全国コンクリート圧送事業団体連合会、全国基礎工事業団体連合会、全国防水工事業協会、全国クレーン建設業協会、全国建設労働組合総連合などが含まれます。ほかに中小建設業住宅センター、建築開口部協会、日本ウエルポイント協会、日本サッシ協会、日本ツーバイフォー建築協会、日本橋梁・鋼構造物塗装技術協会、日本計装工業会、日本保温保冷工業協会、日本木造住宅産業協会、全国サイディング事業協同組合連合会、全国圧接業協同組合連合会、全国仮設安全事業協同組合が挙がっています。

国交省は専門工事業者向けに様式例や書き方ガイドを整備しています。モデル事業で見えた課題への対応策をQ&A形式でまとめた書き方ガイド(運用編)も公表済みです。2026年度は改正法の全面施行の初年度となるため、標準労務費に基づく新たな商習慣の定着に向けた取り組みを強力に進める方針です。

現場への含意(編集部の見立て)

所属する団体が未検討の専門工事業者は、2026年度の全面施行初年度に向け、まず自社の見積書が労務費や法定福利費などを分けて示せる形になっているかを点検する必要があります。団体の様式を待つ間も、国交省が公表している様式例や書き方ガイド(運用編)を使えば、先行して社内の見積書を整えられます。元請け側の積算・購買担当者も、内訳明示の見積書を受け取る前提で、受け入れ手順を早めに決めておく必要があるでしょう。