2029年春の開始に向け、26年度末に審査方法を確定

建設通信新聞の発表・報道によると、国土交通省は28日に建築BIM環境整備部会を開き、建築確認申請におけるBIMデータ審査の制度開始に向けた今後の取り組みを整理しました。開始目標は2029年春です。対象となる審査項目ごとの審査・検査方法を、2026年度末までに確定するとしています。

導入の時点で建築確認審査の全項目をデータで確認するのは難しいと判断されました。そのため、入力の負担と効果のバランスを見ながら優先する項目を選び、建築BIM推進会議の下に置いた審査タスクフォース(TF)で方法を検討しています。現在の検討対象には、建ぺい率、容積率、建築物の敷地面積、防火区画などが挙がっています。

四つのWGで議論、見えてきた課題

審査TFには、集団規定、防火規定、その他の規定、設備に関する規定の四つのワーキンググループ(WG)が設けられています。これまでの議論で出ている内容は次のとおりです。

容積率では、審査上一意に決まる事項と、設計者や審査者の判断が必要な事項を切り分けます。そのうえで、BIMの共通フォーマットであるIFCデータに持たせる情報と、外部情報とを整理する方針です。審査ビューの形式(帳票形式や3次元モデル形式など)は、モックアップを見ながら具体像を議論しています。

防火区画では、法規モデルの定義付けが主な課題です。機械換気の議論では、室と設備機器をIFCデータにどうひも付けるかといった、データ作成上の課題が出ています。

ガイドラインやCDE仕様も2028年度にまとめる予定

審査TFは審査・検査方法のほかに、審査に関するガイドライン、モデル作成のルール、IFCデータの作成基準、CDE(共通データ環境)の仕様なども検討しています。これらは2028年度の取りまとめが目標です。

データ連携の環境整備を担う標準化TFは、MET(Model Element Table)について、2026年度に活用事例に応じたフォーマット案をまとめる予定です。METは、BIMモデル内の壁や柱などの各要素に、設計・施工など段階ごとに求める属性や詳細度を体系的に整理したものです。

編集部の見立て

設計事務所や設計部門では、2026年度末に確定する審査方法を見て、自社のモデル作成ルールをIFC出力と審査ビューに合わせて見直す準備が必要になりそうです。特に容積率や防火区画のように、モデルに持たせる情報の線引きが議論中の項目は、確定内容によって入力の手間が変わる可能性があります。設備分野では、室と機器のひも付けが論点に挙がっているため、設備設計者は自社のデータ作成手順を早めに点検しておくと、2029年春の開始に備えやすくなります。